「行政書士がホームページを作ったら、放置せずに育てていかなければいけない」というのはよく言われることですが、育てるとはどういうことでしょうか。
具体的に何をすればいいのかということを整理してみたいと思います。
記事を追加する
ホームページを育てていくにあたっては、やはり継続的な記事の追加というのが王道です。
追加していく記事の注意点については「行政書士がホームページの記事を書くときに注意しておきたいこと」でも詳しく紹介していますが、意図した方向性に沿って一定の質と量の記事を追加していくのは、労力も時間もかかり非常に地道な作業になります。しかしその分、効果が出始めると強いです。
記事を追加する作業は、実際に始めてみると大変です。特に、ホームページ開設当初に「このくらいの記事なら書ける」と想定していた記事数まで達しても、アクセスがほとんど集まらないとき、ほとんどの行政書士はそれ以上続ける気力が萎えてしまいます。
継続することだけが大事なわけではありませんが、競合する多数の行政書士事務所ホームページから一歩抜け出すまで継続できなければ、集客効果の期待できるホームページを作ることは難しいです。
記事をコンスタントに追加する
記事の追加に関しては、記事の更新頻度について質問を受けることが多いです。
ホームページでの有益な情報の発信は、多ければ多いほど良いというのは間違いないのですが、短期間に一気に更新してその後パタッと更新が止まってしまうようだと、検索エンジンから「このホームページは動いていない」「放置された」と認識されてしまい、検索順位が落ちてしまうおそれもあります。
よくあるパターンが、サイト開設直後にはりきって毎日更新していたのが、1ヶ月も経たないうちにネタ切れになってしまい、次第に更新が滞って放置されてしまうというものです。
そうなってしまうくらいなら、週に1本でも月に1本でも、投稿ペースを決めて継続的に質を維持しながら更新していくほうがよいでしょう。
記事の手直し(増補・改訂)
行政書士のホームページの記事は、法改正や運用の変更で内容が古くなったりしやすいため、定期的に過去のページを手直しする必要が出てきます。
また、アクセスの多いページを中心に、新たに得た知見などを取り入れたり、わかりにくい部分を書き直す、見出しや段落分けなどを見直す、内部リンクの整備(ホームページ内のページを行き来しやすくする)など、過去のページを改善していく作業も重要です。
その業務の実績に乏しい段階で公開したページは、どうしても内容が薄くなりがちです。ある程度の業務をこなしたら、その業務のパターンごとに例を作って説明するなど、よりわかりやすい内容かつ訪問者にも有益な情報になるよう、手直ししていくべきです。
記事の手直しは軽視している(重要性に気づいていない)行政書士が大半といった印象ですが、半年から1年以上経過した記事にしっかり加筆して質・量を上げていくことで、検索エンジンからの評価がグッと上昇するケースも多いです。
キャッチコピーの見直し
多くの場合、行政書士のホームページでは、ページ上部に大きく表示される画像(ヘッダー画像)にキャッチコピーを表示させますが、もしウェブサイトを公開したものの「アクセスは多いのに離脱が早い」「アクセスの割に問い合わせが少ない」というケースでは、キャッチコピーが原因の場合があります。
ヘッダー画像に大きく記載されたキャッチコピーは、ホームページの訪問者が最初に目にするフレーズですので、ここで違和感や「ここじゃない」感を感じてしまうと、問い合わせまで至る可能性は非常に低くなります。
特にリスティング広告などPPC広告から訪れた人に対しては、ファーストビューの重要性が高まる傾向がありますので要注意です。
特に顧客目線でなく「○○ならお任せください!」「○○の手続きなら~~行政書士事務所へ!」のように、行政書士目線のキャッチコピーになってしまっているときには、改めて顧客目線のキャッチコピーに変えてみるというのは有効です。
アクセス解析より記事数を指標にする
ホームページを公開して記事を追加していくと、どうしても「アクセスは増えたかな?」というのが気になってしまいます。
しかし、ホームページの公開から半年程度は、アクセスがほとんど集まらないのことが多いです。
毎日アクセス解析の画面を確認して「1人も増えていない」「むしろ昨日よりも減った」など憂うのは精神衛生上もよくありませんし、挫折につながってしまうことも多いでしょう。
そこでホームページを開設したら、アクセス解析の人数を気にするのではなく、「50記事まであと3記事」「もうすぐ100記事」と、壁に表を貼って公開した記事を数えていくほうが達成感にもつながり、結果としてホームページを育てやすくなります。
もちろん、繰り返しになりますがこの場合も記事の「質」を落とさない(訪問者がしっかり読んで、それなりの滞在時間が生じる)ことは大前提です。
まとめ
行政書士のホームページを育てる作業は、基本的に非常に地味で非常に地道なものがほとんどです。
さらに、1日あたりのアクセスが数万あるようなホームページであれば効果測定がしやすいのですが、行政書士のホームページではそこまでアクセスが多いケースは少ないため、手探りでの改善作業になりがちです。そのため、集客が可能になる前に挫折してしまう人も多いです。
こういった地味な作業が苦手な人は、広告費を投入してPPC広告中心での集客を目指すほうがストレスが少なく事務所運営を軌道に乗せられるかもしれません。逆に言えば、地味な作業を地道に淡々と進められる人は、自然検索からの集客を目指すのに向いています。(淡々と、淡々と、進められる人はウェブ集客に非常に向いています)
もちろんこれらは二者択一ではなく、ウェブからの効果的な集客を検討する場合、両者をどのようなバランスで取り入れていくかが大切になります。
ホームページを作るときに、自分の性格、事業計画、資金繰りなどを総合的に考慮して、ホームページの運用方針を決めていきましょう。