行政書士の方からホームページに関するご相談をお受けしていると、「なんとかホームページを活用したいのだけど、どうも上手く活用できない」「どう活用したらよいのかわからない」というお話を聞くことが多いです。
そのような方のホームページを見てみると、ご自身が活用したいと考えている方向には向いていないホームページの作りになっていることがほとんどです。
そこでこの記事では、行政書士のホームページの種類(タイプ)と、それぞれどのような活用方法に向いているのかについて紹介していきます。
なお、ホームページの種類については様々な分類方法がありますが、この記事では、行政書士のホームページでよくあるものを独自に種類分けして紹介します。
1.コーポレートサイト
コーポレートサイトは、会社案内のように事務所を紹介する、いわばパンフレット的なホームページです。
行政書士事務所のホームページというと、多くの人が、このコーポレートサイトをイメージするのではないでしょうか。
典型的なコンテンツとしては、行政書士事務所の名称や所在地、代表行政書士やスタッフ紹介といった基本的な情報に加えて、取扱業務や報酬額表などが挙げられます。また、ちょっとしたブログを更新できるコーナーが用意されていることもあります。
コーポレートサイトは名刺の延長線上にあると言えるホームページであり、どちらかといえば見栄え重視で作られていることが多く(電話やメールへの動線も弱め)、ウェブから直接業務を受任するホームページとして活用するのは難しいことがほとんどです。
名刺交換した相手や、紹介を受けた人が参照する、といった用途に向いていますので、いわゆるアナログ営業を中心とした営業活動をしている人に適しています。
2.LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)は、本来の意味ではホームページに訪問した人がはじめに閲覧したページのことを指しますが、ここでは、行政書士同士の会話でよく使われる「1ページで構成される縦長のホームページ」として紹介します。
LPは元々が様々な商品やサービスを販売するために発展してきた構成なので、ウェブから直接業務を受任するのには向いています。
1ページのみの構成であるため、自然検索から多くのアクセスを得るのは難しいことが多く、検索結果に表示されるリスティング広告などの広告経由でのアクセスが中心になります。
広告経由のアクセスの場合、「急ぎ」の業務依頼が多くなったり、想定外の客層からの問い合わせばかりになってしまうこともあるのですが、即効性がありますし、広告の内容について改善していくことができれば、費用も抑えることができるという特徴があります。
1ページ単位で作れることもあり、即効性のあるリスティング広告の運用を上手く組み合わせることで発揮される、柔軟な機動性もLPの強みのひとつと言えます。
3.解説サイト
こちらも行政書士事務所のホームページにはよく見られますが、業務に関連する内容についての解説記事を中心にページを増やしていくようなホームページです。
このタイプも、作り方しだいですがウェブから直接業務を受任するのに向いています。
しっかりと記事を追加してホームページを育てることができると、自然検索から多くのアクセスを得ることができるようになるためです。ただし、デメリットとして育てるために多大な労力と時間が必要になります。
その分しっかりと育った場合には、広告費をかけることなく業務受任に繋げられるという、行政書士事務所経営上、非常に価値のある資産になります。
ありがちな失敗としては、業務を受任したくて一生懸命記事を書いたのに、情報提供に偏ってしまった結果、業務を依頼したい人ではなく、情報だけが欲しい層からの問い合わせばかりになってしまうことです。「うちは役所じゃないのに……」という事態に陥っている行政書士事務所は、この陥穽にはまっているといえます。
もちろん訪問者にとって有用な情報を提供するというのは大切なのですが、最終的な目的は、専門家としての信頼を得て業務を受任することです。しっかりと情報を提供した上で、そこからどう問い合わせへの導線を作るかということを意識しながら試行錯誤する必要があります。
ジェノモスのおすすめはハイブリッド型
このように、ホームページは構造、構成に応じて様々な特徴があるのですが、私たちジェノモスが、ホームページから直接業務を受任したい方におすすめしているのは、LPと解説サイトのハイブリッド型の構成です。
トップページはLPとして使えるように業務や事務所の情報の概要がつかめる形で構築してリスティング広告にも対応しつつ、サービス紹介や解説記事を増やすことによって個別のページは自然検索からのアクセス増も狙えるような作りです。
コーポレートサイトで日記を更新してもWebからの業務受任は難しい
ここまで行政書士のホームページの典型的な種類について紹介してきましたが、もちろん例外もあります。またホームページにはたくさんの構成要素がありますので、組み合わせは無数に存在します。
それだけに、漫然とホームページを作ったとしても、なかなか目的に合致したものは出来上がりません。
例えば、「ホームページを頑張って更新しているが、ホームページからの問い合わせがない」という方のホームページを見てみると、作りは典型的なコーポレートサイトであるにもかかわらず、更新しているのは「ラーメンを食べに行きました」「同期と飲みに行きました」「風景が綺麗だったので写真をアップします」といった内容のブログ記事ばかり……という状況になっていることが少なくありません。
もちろんそれ自体に良い悪いはありませんが、それは個人のブログで更新するべき内容であって、「ホームページから問い合わせを得て、そこから業務受任につなげる」という目的には沿わないことがほとんどでしょう。
ホームページを作る目的、ホームページの対象者を明確に
大切なのは、ご自身がどのような目的でホームページを作り、活用しようとしているのか。そしてホームページの対象者が誰であるのかということを明確にすることです。
そこがしっかりと固まってはじめて、どのような種類のホームページを作るのか、どんなホームページであれば目的を達成できるのか、ということが検討できます。
「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、漠然と「とにかくホームページくらいは無いと噺にならない」と、ホームページを持つこと自体が目的になってしまうというケースは非常に多いです。
また、ホームページの種類の違い(効果の違い)を知らず、Webから直接の集客を行う目的でコーポレートサイトを作ってしまう行政書士さんも非常に多く見受けられます。
繰り返しになりますが、まずはホームページを作る目的、目を通してもらう対象者を明確にすることが大切です。