Q. 行政書士です。ホームページの記事を同業の行政書士がパクっているのを見つけてしまいました。こういう場合にはどう対処するのがいいのでしょうか?
A.まずはそのホームページのキャプチャ等を撮って保存した上で、お問い合わせフォームなどからご自身のサイトと類似していることを伝えてみましょう。
ホームページを公開してある程度まで育てると(またはリスティング広告を継続して利用すると)、いつかどこかで巻き込まれてしまうことが多いのが「ホームページのパクリ」問題です。
まずは冷静に対応を
睡眠時間を削るなどして一生懸命に更新した記事がそのままコピペで流用されてしまったり、制作会社に少なくないお金を払って作ってもらったホームページのデザイン・見た目がほとんどそのまま使われてしまったり、育てたホームページから盗用されるケースは意外とよくあります。
ご自身のホームページからパクられているのを発見したときは、つい「ふざけんな!」とカッとなってしまうかもしれません。
しかし、最初からけんか腰で対応をしてしまうと、話が逆にこじれて長引いてしまう可能性もあります。
まずは「こういうのはよくあるケースなのだ」と一度気持ちを落ち着かせるほうがよいでしょう。
ホームページがパクられる主なケース
ホームページがパクられてしまう主なケースは3つあります。
1.ホームページ制作会社がパクる
まずは、相手事務所が依頼したホームページ制作会社がパクる場合です。
行政書士さんからホームページの制作を依頼された制作会社のスタッフが、行政書士のホームページを作った経験がなくウェブ上を検索して参考にするうち、ほとんどそのままのデザインでできあがってしまったなどがこのケースに該当します。
2.相手事務所スタッフがパクる
次に、相手事務所のスタッフさんに「わたし、ホームページとか作れますよ」というある程度ウェブに知識のある人がいるケースでは、そのスタッフさんにホームページの制作をお願いしたことによって、上記1の理由と同じように他の事務所を参考にするうちにほとんど同じデザインのホームページができあがってしまうことがあります。
また、事務所のスタッフさんに「記事の更新をお願い」と頼んでいるケースでも、スタッフさんが他の事務所からほとんどそのままコピペで文章を持ってきてしまうケースは非常に多いです。
つまり、その事務所の代表行政書士さんはパクリの事実を全く知らない状態です。
3.相手事務所の行政書士がパクる
3つめは、相手事務所の行政書士さんご本人がパクるケース。ホームページを作った経験のある行政書士さんが、知らず他事務所のデザインをほとんどパクって作り上げてしまうというケースは意外とあります。
この場合、「どうしてパクったのですか?」と問い詰めても「綺麗でいいなと思ったので参考にして作ったんですけど、何かまずかったですか?」と、そもそも何が問題なのかを全く認識していない方もいらっしゃいます。(著作権に関わることもある行政書士として、それはどうなのか……とも思いますが)
これは記事も同様で、「この文章はうちの事務所でも使えるから利用しよう」と、悪いことであると全く認識せずそのままコピペで使ってしまう人もいます。
こういったケースでは、それが悪いことであることをちゃんと伝えてあげることで、ホームページ・記事を変更してくれるはずです。
また上記のほか、相手事務所の行政書士さんがホームページ制作会社に依頼する際、「こんなホームページを作りたい」と持っていった案が他事務所のホームページのデザインとほとんど同じというケースもあります。
この場合、ホームページ制作会社はそれが盗用であることがわかりにくいため、その案の通りに作ってしまうことがあります。(ある意味、制作会社も被害者になってしまうケースです)
問い合わせフォームから連絡を
以上のように、誰がパクったかどうかはパクリのホームページを見つけた時点では判断がつきません。
まずは該当のホームページをキャプチャ等で残した上で、お問い合わせフォームなどから「私のホームページと類似しているようなので、取り下げてほしい」旨を伝えてみてください。
大抵のケースでは、大事にならずすぐ取り下げてもらえるはずです。
自分の事務所で知らずパクりを行ってしまう怖さ
先ほどの「ホームページがパクられる主なケース」の2つめで挙げた事務所スタッフがデザインや記事をパクるケースですが、もし貴方が自分の事務所の補助者さんやスタッフさんに「ホームページを作って」とか「記事を更新して」とお願いした場合、そこで知らずにパクりの加害者となってしまう可能性もあることには要注意です。
「まさか、そんなことはしないだろう」と全く疑ってもいなかったのに、ホームページが充実してきた後で「おたく、私の事務所のホームページをパクってますよね?いますぐすべて削除してください!」と別の事務所の行政書士さんから言われてしまったら、かなりのショックを受けるはず。
でも、ある意味そのように言ってくれる行政書士さんならまだ救われるケースかもしれません。
スタッフさんが知らず、貴方と非常に懇意の行政書士さんのホームページからパクってきてしまうことも考えられ、そうなると相手は「あいつ、そんなやつだったのか!」と知らないところで憤慨されたり、場合によってはSNSなどで「人の労力をかすめとる酷い奴」と言いふらされてしまう可能性も。
「他人のデザインや文章をそのまま使ってはいけない」
このことを知らない人は(驚くことに)かなり多いので、パクリに合った場合はまず冷静に対応をし、自分の事務所でパクってしまわないようにスタッフさんへの伝達もしっかり行っていきましょう。