行政書士でもSNSをやっている人は多く、情報発信、情報収集、採用、交流、集客などその活用法は人それぞれですが、そんな行政書士のSNSの活用について考えてみます。
なお、本稿ではビジネス目的での使用を前提に考えていきますのでご了承ください。
どんなSNSが主流?
おそらく最も多くの行政書士がビジネス目的で使用しているのはFacebookではないでしょうか。
Facebookは、比較的ビジネスとの親和性が高いとされていますし、イベント機能などもあり、ビジネスに使いやすい面があります(ビジネスでしっかり活用するときは、行政書士個人のFacebookアカウントと事務所のFacebookページとの使い分けなどを含めて、Facebookの規約をよく読んでおくことも大事です)。
最近は、Twitterで積極的に情報発信をされている行政書士が増えています。行政書士に限らず他士業や経営者のTwitterを見かけることが多くなってきています。
この2つが主流だと思われますが、Instagram、LINE、新浪微博(ウェイボー)などをビジネス目的で使用している行政書士もいるようです。
また、SNSとは少し異なりますが、Youtubeを活用する行政書士もどんどん増えてきています。
SNSの使用目的
行政書士がSNSをやる目的というのは、冒頭でも紹介した、
- 情報発信
- 情報収集
- 人材採用
- 交流
- 集客
というものが主なものになります。
行政書士がSNSをやる場合には、どのような目的をメインに据えるかをある程度決めておいた方が、効果的な運用ができます。
行政書士が直接的な集客をSNS経由で行うのはなかなか難しいようですが、最近ではSNSを通じて人材を採用するケースが増えていたり、他士業との連携を図ったりと、SNSを上手く活用することで、行政書士事務所の運営に大きなプラスになります。
SNSのリスク
上手く使えば非常にメリットもあり、楽しく利用できるSNSですが、リスクもあります。
最も大きなリスクは、炎上やトラブルによって悪評が立ってしまうことです。
喧嘩や対立の噂は広がりやすい
やはり「誰と誰がSNS上で喧嘩している」といった類の情報は、広がるのが早いですし、そういった姿がSNSを通じて同業者や広く世の中に発信されてしまうことにはマイナスも大きいです。
中にはそういった事態も糧にして、影響力を大きくできるような人もいますが、それは特別なケースですので、ほとんどの人にとって、炎上やトラブルは大きなリスクと言えるでしょう。
顧客に対する不満を吐き出す用途はかなり危険
また、顧客に対する不満や文句をSNSをに書く人をけっこう見かけますが、ビジネス目的のSNSは、基本的に公開設定で利用するため、どこで顧客の目に留まるかわかりません。
行政書士は守秘義務を負った職業であるため、個人を特定できないようぼやかした投稿であっても、その投稿自体が依頼者や他士業に対して「依頼したら何か言われるのではないか」「酔った勢いで何でも暴露しているのではないか」といった不安を呼び起こします。
フォローされている知人からしか反応がない状態で発信を続けていると、しだいにその人達しか読んでいない前提で書き込んでしまいがちですが、それによって炎上してしまうケースは日々のニュースでも多々取り上げられています。
トラブルになった投稿を削除しても、その投稿のスクリーンショットが残ってしまうケースが多々見受けられます。トラブルになってしまうと、元通りにならないのが、SNSの怖い点といえるでしょう。
トラブルにならないためにも、全ての投稿につき、顧客に見られても問題ないように心がける必要があります。
投稿する前に読み返して、問題ない投稿なのか確認してから公開しましょう。
SNSによる気持ちの低下
FacebookやTwitterは、その人の輝く部分のみ切り出されてタイムラインに流れてくる傾向が強いツールです。そのため、つい他人と今の自分の状況を比較してしまいやすい傾向のある人は、使うほど気分が落ち込んで辛い状況に陥ることもあるようです。
特に行政書士の開業当初は、同期の仲間のほうが先に業務を受任したり、よい場所に事務所を移転したり、スタッフを雇用して規模が大きくなったり、なにかと比較してしまいやすいイベントが連続します。
他人の投稿を見て気持ちが下がる人はSNS利用を控えるか、または自分の投稿を中心にしてタイムラインに流れてくる他人の投稿はあまり覗かないスタンスをとるほうがよいかもしれません。
まとめ
繰り返しになりますが、SNSは使い方によってはプラスにもマイナスにも働きますので、「誰に対して」「どう使うか」という点は常に意識しておいた方がいいのではないでしょうか。
とは言え、あまりガチガチにやってしまうと楽しさが失われて長続きしないということもあります。
ちょっと投稿した趣味の話題から、依頼者や他士業との間に思わぬ関係が築けるといったことも、それほど稀ではないのがSNSの利点の一つでもあります。
楽しむということを忘れないのも大切といえそうです。