行政書士事務所の求人に応募したけど書類選考をなかなか通過できない理由とは?

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Q. 行政書士試験に合格し、行政書士事務所への就職を希望しているのですが、書類選考の段階で不採用になることが多く、原因が分かりません。

A. 多くの場合、志望動機が「行政書士になりたい」といった一般的な表現に留まっており、事務所側に熱意や適性が十分に伝わっていない可能性があります。

採用担当者が注目するのは、「なぜ行政書士事務所で働きたいのか」に加えて、「どのような業務に関心があり、どのように貢献したいのか」という具体性のある内容です。

試験合格という成果を出された皆様だからこそ、次は“現場でどう動けるか”という視点が求められています。

行政書士業務をやりたい!

行政書士試験に合格された方が、実務家として一歩を踏み出すためには、行政書士事務所を開業するか、行政書士事務所に勤務するかのいずれかの方法を採るのが一般的です。

この記事では、実務の実態や業務の魅力、事務所側が求める人物像、そして応募書類を作成するうえで重視すべき観点についてお伝えしていきます。

これから行政書士としてのキャリアを築いていくために、「なぜこの事務所で働きたいのか」「どのような業務に関心があるのか」といった自己理解を深め、採用担当者に自分の意志と姿勢を伝えるためのヒントになれば幸いです。

行政書士事務所の業務とは?

行政書士事務所の業務は、単なる書類作成にとどまりません。依頼者との面談を通じて状況を把握し、最適な手続きを提案し、行政機関と調整を行いながら、申請をスムーズに進めることが求められます。

対応分野は事務所ごとに異なりますが、許認可・入管、遺言相続、法人設立など、幅広い法分野を取り扱うことが多く、法知識を実務にどう落とし込むかが常に問われる場面の連続です。

行政書士試験に合格したとはいえ、実務はまた別の世界です。条文や制度を知っているだけでなく、それを現実の手続きに応用する力、そして依頼者に対して丁寧かつ正確に対応する姿勢が非常に重視されます。

現場で求められる人物像

行政書士事務所では、ミスのない正確な処理能力と、地道な作業をコツコツ積み上げていく継続力が重要視されます。

一見するとルーティンワークに見える場面でも、内容を深く読み取り、法的リスクを見逃さない注意力が求められます。また、依頼者の多くは法制度に詳しくないため、難解な制度をわかりやすく伝える力、そして信頼を得るための誠実な対応も欠かせません。

さらに、行政機関とのやりとりや、期限管理、書類提出の段取りなど、調整業務も多く発生します。資格の有無に関わらず、ビジネスマナーや段取り力といった“職業人としての基礎力”も、大きな信頼につながります。

応募書類のポイント:資格合格のその先を伝える

行政書士試験に合格された方であっても、「行政書士になりたい」や「行政書士業務を行いたい」という一言だけでは、採用担当者の心を動かすには不十分です。行政書士になりたいだけならば、行政書士事務所に勤務せずに、行政書士登録手続きを行い行政書士事務所を開業すれば、行政書士業務はできますよね。

どのような業務に関心があり、どのように成長していきたいのか。また、その事務所の業務内容と自分の志向性がどう重なるのか。そうした視点を持って書かれた志望動機は、採用担当者に「一緒に働くイメージ」を持たせることができます。

たとえば「建設業界に関心があり、建設業許可を通じて中小企業の成長支援をしたい」といった具合に、自分の関心を具体的に言語化し、さらに「貴所が注力されている分野で力をつけたい」と接続できれば、単なる“資格者”ではなく“戦力候補”としての印象を与えることができるでしょう。

事務所選びのポイント

応募する事務所選びによっても、採用の可能性は変わってきます。

例えば、

  • 静かな雰囲気で黙々と仕事をするのが好きな人が賑やかな雰囲気の事務所に応募する
  • 事務所のルールがしっかりしている事務所に自分なりのやり方で仕事を進めたい人が応募する

といった場合には採用の可能性が下がりますし、入所後も実力を発揮しにくくなってしまうおそれがあります。

最終的には働きはじめてみないとわからないことも多いですが、志望する事務所の採用ページなどから可能な限り「どんな雰囲気の事務所なのか」、「自分と相性が良いか」という情報を集め、「自分に合いそうな事務所に応募する」というのも採用されやすくなるポイントのひとつです。

まとめ

行政書士試験に合格された皆様は、すでに高い知識と努力の証をお持ちです。
これからのキャリアを築いていく上で重要なのは、その知識をどう現場で活かすか、そしてどのような姿勢で学び続けるかという実務家としての視点です。

行政書士事務所は、社会のさまざまな手続きを支える専門家集団です。高い専門性を実務の中で養いながら、クライアントに寄り添い、現場の一員として信頼を築いていく。その第一歩として、応募書類には、あなたが「なぜその事務所で働きたいのか」「どのような実務家を目指しているのか」を丁寧に落とし込んでいきましょう。

“資格を取ったその先”を見据える皆様のチャレンジを、心から応援しています。

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