Q. 行政書士開業予定です。士業の営業に関する情報発信を見ていると、紹介案件を多く得るような取り組みが多いように思います。そういった方が「ホームページから来る案件は筋の悪いものが多い」と言っていることがあります。実際のところはどうなのでしょうか?
A.紹介案件のほうがホームページ経由の案件よりも精度が高く信頼できるクライアントである、という話はいろいろなところで耳にします。これには理由があって、紹介案件は他士業さんなどのフィルターを通った案件であるため、ある程度「整った」段階であることが多い一方、ホームページ経由はフィルターを通らず「整わない」状態で相談・依頼が入るケースが多いことが原因です。しかし、ホームページ経由の相談・依頼も「整える」ことによって、紹介案件と同等か、それ以上に精度の高い依頼を得ることも可能です。
行政書士事務所の集客は「紹介」と「ホームページ」
行政書士の業務は専門性が高く、なおかつ信頼が求められる仕事です。そのため、新たなご相談やご依頼をいただく「集客の入り口」はとても重要となります。今回は士業事務所における主な集客ルートである、
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他士業や企業からの「紹介」案件
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ホームページ経由の「お問い合わせ・ご依頼」
この2つについて、それぞれの特性やメリット・注意点を解説していきます。
1. 他士業や企業からの「紹介」案件:信頼関係がスタート地点
紹介による案件は、すでにクライアントとつながりのある他士業や企業から紹介されるケースが多くを占めます。この場合、紹介者が一定の信頼を担保してくれているため、最初から信頼された状態でスタートできるという大きな強みがあります。
以下では、他士業(行政書士の場合は同様の場合もありますが)や企業から案件を紹介される場合のメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット:
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初対面でも安心感があり、話がスムーズに進む
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クライアントも紹介元との関係性があるため、丁寧な対応をしてもらいやすい
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他士業との連携によるシナジー(税務+許認可など)も期待できる
デメリット:
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どんな案件が来るか事前に読めない(規模・難易度ともに不確定要素が多い)
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「とりあえず聞いてみただけ」といったレベルの問い合わせもあり、案件化しないこともある
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紹介元への配慮が必要なため、自由な判断が制限される場合がある
2. ホームページ経由のご依頼:コンテンツが”フィルター”になる
一方、ホームページからの問い合わせ・ご依頼は、直接行政書士事務所にアクセスしてくるルートです。
ホームページ経由のご相談やご依頼は「どんな人が来るのか予測できない」と思われがちですが、ホームページの作り込みしだいで見込み客の質をコントロールできる点が大きな特徴となります。
ホームページの役割は”フィルター”
たとえば、専門分野ごとにコンテンツページや事例紹介、料金案内などを丁寧に整備しておけば、それを読んで納得した上で問い合わせてくれる人が増えます。
つまり、「あなたの事務所に頼みたい」という意志を持った人が集まりやすくなるということです。
ホームページ経由のご相談やご依頼は、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット:
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発信内容によって集まる相談内容をコントロールできる
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自分の得意分野にマッチする案件が集まりやすい
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成約率の高い見込み客を増やすことが可能
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時間の経過とともに「資産」になる(放っておいても集客してくれる)
デメリット:
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立ち上げ初期はアクセスが集まりづらく、成果が出るまでに時間がかかる
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コンテンツの企画・執筆・更新などの継続的な手間がかかる
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検索エンジン対策(SEO)の知識もある程度必要になる
まとめ:紹介とホームページ、それぞれの強みを活かそう
ひと言でまとめてしまうと、紹介案件は「信頼スタート」、ホームページ経由の案件は「精度重視」が特徴です。
どちらも行政書士にとっては重要な集客ルートですが、安定的・戦略的に仕事を増やしていくにはホームページを育てていくことが不可欠といってもよいのではないでしょうか。
特に専門性や実績を分かりやすく伝えることで、紹介を受けた方が「この人なら信頼できる」とホームページを見て納得するという“紹介×WEB”の連動効果も生まれてきます。
まずは自分の得意な業務・相談をしっかり言語化し、発信していくこと。行政書士の集客は、いまや“待ち”ではなく積極的に“整えていく”時代といえるかもしれません。