Q. 開業している行政書士です。メイン業務の集客用にホームページを作成しました。自分で記事を追加できるように作ってもらったので記事を追加していこうと思うのですが、知人から「ただ記事を書くだけじゃなくてSEO対策をしないと集客できないよ」とアドバイスを受けました。SEO対策はしなければいけないのでしょうか?
A. SEO対策は大切ではありますが、アクセス数だけを追い求めるようになってしまうと、望ましくない状況に陥ってしまうこともあります。また、SEO対策を気にして記事が書けなくなってしまうくらいなら、SEO対策を無視してでも記事を書き続けることの方がはるかに大切です。
一定のSEO対策は必要です
ホームページを通じて集客を考える際、よく耳にするのが「SEO対策」という言葉です。SEOとは、検索エンジンで上位に表示されるための施策のことで、要はあなたのサイトを多くの人に見つけてもらいやすくするための方法です。
前提として勘違いしてはいけないのは、
「ウェブサイト全体の実力が10あるのに、検索エンジンからは5の評価しかされていない」
というときに検索エンジンからの評価を10に近づけるのがSEO対策であって、
「ウェブサイト全体の実力が5しかないのに、検索エンジンからの評価を10にする」
ものではないということです。
具体的な施策としては、
- 検索ニーズを調査して、ニーズの高いテーマで記事を書く
- 記事のタイトル、ディスクリプションなどを適切に設定する
- 記事内にキーワードを適切に盛り込む
- 内部リンクを整備する
- 競合調査をする
- 適切な外部リンクを獲得する
などを行うことが多く、検索エンジンからの流入を得たいホームページでは必須と言ってもよいでしょう。
ただし、SEO対策の本質は、単にアクセス数を増やすことではありません。特に行政書士事務所のような少人数で運営されているビジネスでは、ただアクセスを増やすだけでは効率が悪い場合もあります。
なお、スパム的な手法は、短期的には良い結果が出ても、ある日突然ペナルティを受けてしまう可能性もありますので、基本的にはGoogleが公式に提供しているガイドラインを参考にするのが確実です。
アクセス数増加だけを考えると大きな負担になることも
多くの方が「アクセスが増えれば問い合わせが増えて依頼が増える」と考えますが、現実にはそう単純ではありません。
たしかに、「一生懸命に記事を書いているのだから、もっとアクセスが欲しいし、問い合わせも増えてほしい」という気持ちは理解できますし、わかりやすい成果が得られるため、アクセス数を重視しがちです。
また、ウェブコンサルティング会社も、比較的成果が見えやすい指標であることから、アクセス数や問い合わせ数を向上させる施策を推奨することが多いです。
たしかにアクセス数が増えることは一つの成果ですが、肝心なのは、そのアクセスがどれだけターゲット層からの問い合わせに繋がるかです。
あまりにも検索ニーズばかりを気にして記事を書いてしまうと、いつの間にかターゲット層に刺さらない記事が多くなってしまい、ターゲット層からの問い合わせが少なくなることがあります。
ターゲット層に合わない多くの訪問者から大量の問い合わせが来ても、それが本来の業務に繋がらなければ、少人数の行政書士事務所では、問い合わせ対応が大きな負担になってしまいます。
多くの行政書士事務所の場合、(取り扱う業務にもよるでしょうが)「1週間に100件の問い合わせで5件の成約」よりも、「1週間に10件の問い合わせで2件の成約」の方が経営上安定し、無理のない状態でしょう。
本来のターゲットに届けるために
では、どうすれば本来のターゲット層に焦点を当てることができるのでしょうか。例えば以下のような具体的な施策があります。
これらの施策を進めていくことで、より効率的な集客と、質の高い問い合わせが得られるようになります。
ターゲットニーズに基づく記事作成
検索ニーズだけでなく、あなたが本当に対応したい顧客がどんな悩みを抱えているのかを考え、その解決策を提供する記事を作成しましょう。
記事のリライト
既存の記事を単なる検索キーワード重視ではなく、ターゲット層の問題解決に焦点を当てた内容に書き直しましょう。
言葉遣いを変えたり、専門用語の説明の際の想定読者のレベル調整などをするのも効果的です。
問い合わせ関連の改善
問い合わせのハードルを低くしすぎないように工夫しましょう。
無料相談の過剰なアピールは避け、真剣にサービスを利用したい顧客にフォーカスした表現を心がけます。
競合調査と差別化
競合サイトと比較して、どこが優れているかを分析し、自分のサービスの強みを効果的にアピールしましょう。
行政書士の場合、競合サイトには、自分が書こうとしている記事と同じテーマの記事が既に存在していることが多いと思いますので、競合ページよりも詳しく、わかりやすい記事を書くことをベースに、自分の事務所の特色を出せるのが理想的です。
SEO対策の気にし過ぎにも注意
ここまで色々書いてきて、最後にちゃぶ台返しをしてしまうようですが、ホームページが思ったように育たない最大の原因は、圧倒的に量の不足が理由のことが多いです。
なので、SEO対策を気にし過ぎて筆が重くなってしまうくらいなら、SEO対策を無視してでも記事を追加し続けることの方が大切です。
実際、圧倒的な量の前には、小手先のSEO対策では太刀打ちできないということも多いです。
定期的な記事の追加を最優先、SEO対策はやれる範囲で、というのをおすすめします。