Q. 行政書士です。お客様から受任した案件を進めているのですが法令や手引き、専門書を確認してもわからないことがあります。行政機関に確認しても、明確な回答が出てきておらず胃が痛い日々を過ごしています。実務でわからないことが出てきたときに相談できる先輩行政書士がいればいいのですが・・・。実務のことで相談できる先輩行政書士さんは、どのようにして探せばいいのか教えてください。
A. 支部活動などの会務への参加、SNSでのつながり、セミナーでの交流など、自身が積極的に動くことで実務で困ったときに相談できる先輩行政書士(お師匠さん)に出会えるでしょう。
実務の悩みを相談できる行政書士(よいお師匠さん)はどのようにして探せばいいのか?
行政書士として開業すると、日々の業務の中で「この判断で間違いないだろうか?」「運用はどのようになっているのだろうか?」と悩むことが少なくありません。特に、許認可業務や専門分野に関する実務では、マニュアルや研修だけでは解決できない細かい判断が求められる場面も多くあります。
このような場合、行政書士登録同期に行政書士事務所に勤務されていたり、勤務経験がある方がいると相談しやすいでしょう。とはいえ、そのような方が周りにいなかったり、もしいたとしても知識・経験は、先輩行政書士には敵いません。実務経験が豊富な先輩行政書士(お師匠さん)に相談できる環境があると、よりスムーズに業務を進めることができます。
しかし、「実務の悩みを相談できる行政書士(お師匠さん)はどのようにして探せばいいのか?」 と悩む方も多いでしょう。
そこで今回は、実務の相談ができる先輩行政書士と出会うための方法、つまりお師匠さんの探し方を6つ紹介します。
相談するときの心構え
具体的な方法を紹介する前に大切なことをお伝えしておきますが、大前提として、行政書士への業務の相談を行う際は、敬意と礼節をもって接することが何よりも大切です。行政書士の専門知識は、長年の研鑽と実務経験によって培われたものです。
残念ながら、「同業者だから」「先輩は新人に教えるべき」という安易な考えで、面識のない行政書士に唐突に連絡をとる事例が業界内でよく話題になります。しかし、あなたの相談に応じることは相手にとって業務外の負担であり、純粋な善意によるものだということを認識しましょう。
たとえある程度の人間関係がある場合でも、相手の時間と専門知識に対する敬意を忘れず、適切なマナーを持って相談することが、円滑なコミュニケーションの基本になることを忘れないようにしましょう。
行動力がお師匠さんに出会える原動力
実務に不安を抱える行政書士にとって、お師匠さんとの出会いは成長の大きな鍵です。ただし、待っているだけでは理想のお師匠さんには巡り合えません。
積極的に行動することこそが、お師匠さんに出会える原動力となります。
支部活動への参加、SNSでのつながり、セミナーでの交流など、あらゆる場面での行動が未来の自分を支える貴重な人脈へとつながるのです。
1. 行政書士会の支部活動・研修会に参加する
各都道府県の行政書士会では、定期的に研修会を開催しています。支部がある場合は、支部研修会や新年会・忘年会・暑気払いなどの交流会を開催しています。これらの場に参加することで、同じ地域で活動している行政書士と知り合うことができます。
メリット
- 地域の実情に詳しい先輩行政書士とつながることができる
- 直接顔を合わせることで信頼関係を築きやすい
参加方法
- 所属する行政書士会からの会報誌やメールマガジンなどで開催案内を確認する
- 研修会後の懇親会や交流タイムで自己紹介や名刺交換を積極的に行う
ポイント
お師匠さんを探すためには、出会った行政書士さんが専門としていたり、得意としている分野を確認しましょう。「〇〇分野に強い先生がいらっしゃれば紹介してほしい」 と相談すると、適切な先輩を紹介してもらえる可能性が高まります。
研修の受講形式を会場とオンラインを選べる場合は、移動時間がかかりますが、会場での受講をすることがお勧めです。そして、研修会後に懇親会にが開催されるときは懇親会に参加することで、お師匠さんに出会える可能性が高まります。
2. SNS・オンラインコミュニティでつながる
最近では、SNS(X/旧Twitter、Facebook、LINEオープンチャット) など、オンライン上で行政書士同士がつながる場が増えています。
特にX(旧Twitter)では、「#行政書士」「#開業行政書士」などのハッシュタグで検索すると、同じ分野の専門家が日々情報発信を行っています。
メリット
- 全国の行政書士と気軽につながることができる
- 実務の悩みを投稿すると、他の行政書士からアドバイスをもらえることがある
探し方
- X(旧Twitter)で「#行政書士」「#許認可」などのタグで検索する
- Facebookグループの「行政書士交流グループ」に参加する
- LINEオープンチャットで行政書士向けのグループを探す
ポイント
SNSで関心のある投稿を見つけたら、コメントやDM(ダイレクトメッセージ)でご挨拶からはじめると信頼できるお師匠さん候補が見つかるかもしれません。
なお、関係性が構築されていない状況で「実務の相談」をすると嫌われます。
3. 行政書士向けのセミナー・勉強会に参加する
行政書士向けの専門分野に関するセミナーや勉強会に参加することで、同じ分野に関心のある行政書士と出会うことができます。
特に、許認可分野や業種特化型のセミナーでは、共通の課題を抱える参加者が集まるため、実務の悩みを相談しやすい環境です。
メリット
- 専門分野に精通した行政書士と直接話すことができる
- セミナー後の名刺交換や交流時間で関係を築くことができる
参加方法
- 行政書士会主催のセミナー案内を確認する
- 民間団体が主催する専門分野のセミナーに参加する
ポイント
セミナー終了後は、講師や参加者へ積極的に声をかけ、名刺交換・情報交換を行うことで、お師匠さんとのつながりを築くきっかけになります。
4. 特定分野の専門家に直接アプローチする
自分が取り扱う許認可分野や専門分野に精通している行政書士を見つけた場合、個別に連絡を取って相談するのも効果的です。
ホームページやブログ・SNSで情報発信をしていたり、専門書を執筆している行政書士に直接アプローチしてみましょう。
メリット
- 専門的なアドバイスを受けられる
- 実務の課題解決に即した具体的なヒントが得られる
探し方
- 行政書士会の会員検索ページで専門分野の行政書士を検索する
- 事務所のブログやSNSで情報発信している行政書士にDMで相談する
ポイント
「〇〇分野の実務で行き詰まっているので、短時間でアドバイスをいただきたいです。」と具体的に依頼すると、将来的にお師匠さんになり得る先輩から快く応じてもらえることが多いです。
5. 会員向けの実務相談の場を活用する
東京都行政書士会などの一部の行政書士会では、会員向けに、実務相談の場を設けています。
メリット
- 公式制度のため安心して相談できる
利用方法
- 所属する行政書士会の会報誌やホームページで実務相談の有無を確認する
ポイント
東京都行政書士会が行っている会員向け実務相談制度がない場合でも、支部長や役員である行政書士に「実務の相談相手を紹介してほしい」と依頼することで、信頼できるお師匠さん候補に出会える機会が生まれる可能性があります。
6. 他士業からの紹介を依頼する
行政書士業務では、司法書士・税理士・社会保険労務士 など、他士業と連携することも多いです。
日頃の業務で関わる他士業の先生方から、信頼できる先輩行政書士を紹介してもらうのも有効です。
メリット
- 紹介なので信頼性が高い
- 同じ分野の許認可や業務に精通した行政書士に出会える
探し方
- 提携先の士業に「〇〇の分野で詳しい行政書士の先生をご存知ではないでしょうか?もしご存知でしたらご紹介いただけませんか?」と依頼する
ポイント
- 他士業との関係を築いておくことで、必要な時にお師匠さん候補を紹介してもらいやすくなります。
「実務の悩みを相談できる行政書士(お師匠さん)はどのようにして探せばいいのか?」 という疑問を持つ方にとって、信頼できる先輩行政書士を見つけることは、業務の精度を高める重要なステップです。行動力こそがお師匠さんに出会える原動力です。積極的に行動してネットワークを広げ、あなたにとっての「お師匠さん」 を見つけてください。