行政書士がホームページからの集客を考えるとき、主に、検索エンジン経由とリスティング広告経由という2つの流入経路を検討することになります。
もちろんこの2つはどちらかを選ばないといけないわけではなく、時期や状況、取り扱う業務内容に応じて、どちらを使うか、どう組み合わせていくかの検討が大切です。
行政書士が適切に検索エンジンとリスティング広告を活用するために、それぞれの長所、短所について紹介します。
検索エンジン経由のメリット・デメリット
いわゆる「自然(オーガニック)検索」と呼ばれる、GoogleやYahoo!などの検索結果(広告枠以外)を経由する流入は、なんといっても費用がかからないのが一番の利点でしょう。
また、検索エンジンからの評価が一定の水準を超えると、検索エンジンのアップデートなどでウェブ全体の順位変動があっても、それによって乱高下することも(ほとんど)なくなり、安定して継続的なアクセスを得やすいのも大きな利点です。
さらに副次的な効果として、ある業務について調べたときに同じ行政書士事務所が検索結果に多く表示されることで、「あの行政書士事務所はこの業務に相当詳しい」というイメージを抱かせるため、同業・業界に対する専門性のアピールつながるということもあります。
その一方で、検索結果の上位に表示されるようになるためにはそれなりの労力と時間が必要になる点が、検索エンジン経由のアクセスのデメリットです。
また、特にウェブサイトの土台がしっかりしていない間は、検索エンジンの仕様によって検索順位が大きく変動してしまうおそれがあるというのも、大きなデメリットです。「上位表示できた」「検索結果から消えた」といった話題は、ホームページからの集客を行う行政書士なら頻繁に目にする(耳にする)話題ではないでしょうか。
リスティング広告経由のメリット・デメリット
検索結果の上部・下部の枠に表示されるリスティング広告(PPC広告)のメリットは、なんといっても即効性です。
集客に効果のある検索ワードは、検索結果でクリックされる位置に表示されるようになるまでには数ヶ月以上の期間がかかることがほとんどですが、リスティング広告は出稿し始めてすぐ検索順位1位よりも上のスペースに表示されます。広告を掲載しはじめたその瞬間から、反応を得られる可能性があるのはやはり大きな利点です。
一方で、クリックされる度に広告費用がかかる点が、リスティング広告のデメリットと言えます。
しかしこのデメリットについては、キーワード、エリア、広告文などを改善していくことで、ある程度まで抑えることができます。
リスティング広告の費用を1件の業務単価の2割程度に抑えることができれば、顧客のLTVも含めると事務所運営の経済面では大きな力となります。
もっとも、リスティング広告は目立つところに表示される関係上、冷やかしのクリックで広告費が発生してしまったり、急ぎの行政書士業務の依頼が増えたり、想定していない客層からの反応が増えてしまうこともあります。
また、リスティング広告に慣れていない人は、序盤が一番難易度が高いため、そこで挫折してしまう可能性は非常に高いです。
リスティング広告を活用していくなら「毎月○万円は広告にかならず回す」と予算を割り振って、継続的に取り組むことで自身のスキルを上げることは必須です(たとえ専門の業者に任せるにしても、任せる前にある程度の知識を蓄えておかないと、提示されたアドバイスの意味や、広告展開の方向性について的確に指示することができません)。
まとめ
冒頭でも述べたとおり、検索エンジンからの流入とリスティング広告からの流入は、どちらかを選ばないといけないわけではなく、一方だけが正解なわけでもありません。行政書士事務所としての事業計画によって、どうバランスを取って運用していくかという点が大切です。
もっとも、ホームページ立ち上げからしばらくの期間は検索からの有効な流入が見込みづらいので、アクセス数が一定以上まで増える間、リスティング広告を併用する行政書士事務所は多いです。(早期にホームページからの受任を増やす事務所は、リスティング広告をほぼ活用するといっても過言ではないかもしれません)
ホームページのデザイン面で考えると、検索エンジンからの流入を増やしやすい構造や、リスティング広告からの反応を得やすい構造というものがあります。
ある程度ホームページ立ち上げの段階で、どのようなバランスで運用していくかを検討しておくのがよいのではないでしょうか。
なお、Genomos(ジェノモス)ではトップページがリスティング広告に活用しやすいLP型、個別ページは検索からの流入を重視した一般的なホームページ型という、ハイブリッドな作りのホームページを推奨しています。
この構造であれば、リスティング広告を利用するときは主にトップページへ流入させ、そうでないときは個別ページを着実に増やしつつ自然検索からの流入を増やせるため、時期や状況によって柔軟に活用しやすいからです。