行政書士がホームページで集客をしようとしたとき、あまり気にしないような細かい点が、意外と依頼につながるかどうかに影響を与えていることをご存知でしょうか。
この記事では、その中でももっとも影響の大きい「不安解消」について紹介します。
小さな不安を解消する
行政書士がホームページを使った集客を行うとき、意外と差がつきやすい点が、訪問者の不安を解消する様々な要素の検討・配置です。
ホームページの記事本文や全体的な構造に関しては別の機会で詳しく紹介しますが、記事や構造に問題がなく、ホームページを訪れた人が行政書士事務所に「連絡してみようかな」という気持ちになったとき、そこで抱く不安をどれだけ減らせているかが問われます。
つまり、この段階で細かな不安を解消できるかどうかによって、実際に問い合わせなどのアクションを起こしてもらえるかが大きく変わってきます。
ホームページを作る側、更新する側の行政書士が「当たり前だから書かなくていいだろう」「書かなくてもわかるだろう」と思っている点に、ホームページの訪問者は不安を持つことが意外と多いということは、意識しておくほうがよいでしょう。
営業時間や受付時間を明記しておく
ホームページの訪問者が電話をかけてみようと思ったときに、電話番号付近に受付時間が明記されていないと、訪問者に「いまかけて大丈夫なのかな?」「営業時間外かな?」という不安を生じさせます。
また、メールについても「メールなんだから24時間大丈夫なのが当たり前だ」と考えてしまう行政書士も多いのですが、「夜中なのに送っていいのかな?」と不安に感じて送信を躊躇してしまうホームページ訪問者もいます。電話やメールの受付時間は明記しておくとよいでしょう。
なお、丁寧な行政書士ほど「営業時間と記載しているのに電話に出られないとまずい」という理由から、ホームページの営業時間を短めに設定する傾向があります。しかし、いまは転送電話や電話秘書サービスも充実していますし、どうしても出られなければ留守電などで対応可能です。
特に開業当初は営業時間を絞って記載することで行政書士自ら間口を狭めるよりも、おおそよ出られる時間帯を書いておくほうがよいのではないでしょうか。(営業時間内であっても出られないときは出られないので、いずれの記載でも実際に行うことは大差ありません)
電話をかける側の第一声を用意しておく
これは行政書士に限らず様々なホームページでも見かけると思いますが、電話番号付近に「○○のホームページを見たとお伝えください」など、電話をかけたときの第一声を用意しておくことも不安解消に有効です。
こちらが考えている以上に、行政書士事務所に問い合わせをすることに勇気を必要とする人も少なくありません。電話をして、まず最初に何を話せばいいのか第一声を用意しておくことで、電話をかけるハードルを低くしておきましょう。
この「○○のホームページを見た」という表記は、電話をかけてもらった行政書士の側でも「あのホームページを見て電話しているんだな」ということが把握できるので、会話がしやすく一石二鳥の効果があります。
通常業務の範囲内と思ってもらえる表記を検討する
土日祝でも相談が入れば対応する、という行政書士事務所は多いです。この際、ホームページに「土日祝対応可」と記載してしまいがちですが、この表現は訪問者に「お休みなのにわざわざ行政書士が自分のためだけに出勤してくる」「手間をとらせてしまう」というイメージを強く抱かせるため、気遣いのできる人ほど相談しづらくなってしまいます。
土日祝や営業時間外にも対応が可能な場合は「私だけのために対応してくれるのかな?」というホームページ訪問者の不安を払拭するために、たとえば「土日祝に相談会を開催中。ご予約はこちら」など、通常業務の範囲内での対応であると認識してもらえるような記載を検討するほうがよいでしょう。
メールの返信にかかる時間を伝える
建設業許可やビザ申請などを筆頭に、同一業務において競合するホームページが多数ウェブ上に存在するいま、ホームページ訪問者に「他の事務所に相談したほうがよかったかな?」という不安を抱かせてしまっては依頼につながりません。
ホームページ上のメールフォームから相談や予約を送信できる仕組みを導入している場合、行政書士からの返信の待ち時間が相談者を不安にさせてしまいます。
「メールへの返信は○○時間以内にお送りいたします」など、訪問者の不安払拭につながる、今後の動向を予測しやすい表記を付しておきましょう。
※「○○時間以内に返信します」の案内は、フォームから送られてきたメールに自動返信を返す仕組みを導入して、そこに記載する方法もあります。
相談のとき持参するものを明記する
これは行政書士の業務案内ページに関連する内容ですが、相談のとき、相談者がどのようなものを持参するべきなのかについては、ホームページに記載しておくほうが不安を抱かせずに済みます。
「持参する物」は相談してみようと既に思っている人に対してだけでなく、まだ相談する決断をしていないホームページの訪問者に対しても、相談に対するイメージを具体化させることができます。この表記も一石二鳥の効果が期待できます。
対応エリアを明記しておく
ホームページ訪問者の「自分の地域も対応してもらえるのかな?」という不安を解消するためには、「市外局番を見ればだいたいわかるだろう」とは考えず、わかりやすい場所に対応エリアを明記しておくべきです。
対応エリアの表記の副次的な効果として、あまりにもエリアから離れた地域からの問い合わせの場合には「依頼前提ではなく単に情報が欲しいだけなのではないか」「あまりホームページをしっかり見ていない人ではないか」といった推測ができるという点も挙げられます。
まとめ
ここで挙げたようなホームページ上での不安解消というのは、細かいことを積み重ねて、ひとつひとつを改善していくことで最終的には非常に大きな効果を生みます。
「自分が問い合わせをしてもちゃんと対応してもらえそうだ」という安心感を出せると、
「問い合わせてみよう」→ 電話やメールでのアクション
がダイレクトに繋がってきます。
ホームページを運用しながら、問い合わせや日々の業務の中で、顧客が「どのような点に不安を感じているか」ということを考え、ホームページに反映させていくことが大切です。