行政書士事務所のホームページを見ていると、プロフィール写真で損しているケースを見かけることが少なくありません。そこで今回は、行政書士がホームページに掲載する写真選びの注意点を紹介します。
行政書士のホームページでのプロフィール写真の役割
行政書士のホームページに掲載するプロフィール写真の役割は、街のお店の外から見える店員の顔と同じです。
外からお店の様子が見えて、どのような店員がいるのかわかればお店に入りやすいでしょうし、逆に外からまったく店内が見えないようではお店に入るのは勇気がいると思います。
それと同じで、ホームページにはなるべく行政書士本人の写真をどこかに掲載するべきですが、その写真の選び方や表示の仕方次第では、問い合わせを躊躇させる要因になってしまいます。
例えば、怖い顔の写真がファーストビュー(ホームページを開いて最初に画面内に表示される部分)に大きく表示されたりしたら、内容も読まずにブラウザを閉じられてしまう可能性すらあります。
そのため、ホームページに掲載する写真は明るく、笑顔で、声をかけやすそうな印象を与えるものが基本になります。
「私語厳禁のラーメン屋のような頑固職人のイメージをアピールしたい」といった特別な意図があれば別ですが、あまり声をかけにくいような印象の写真は避けましょう。
典型的なNG写真
ここでは典型的な「行政書士として損をしている」プロフィール写真の例を、いくつかご紹介します。
証明写真
真顔で正面からカメラ目線の証明写真は、表情に明るさの足りないものも多く、ホームページ用のプロフィール写真には不向きです。
運転免許証に使う写真は本人確認のためのものですから、余計な表情を加えずシンプルなものが求められますが、行政書士としてホームページに掲載する写真はそうではなく、業務受任を前提とするものです。
固い表情の写真は、それだけで「怖そう」という印象を抱かせかねませんので、できるだけ避けましょう。
自撮り写真
ホームページに、スマートフォンなどを使って自分で自分を撮影した「自撮り写真」を使っているケースも多いですが、自撮りだと必要以上にアップになりやすかったりしますし、不鮮明なものも多いです。
また、片腕がスマートフォンのほうに伸びているなど、いかにも「自撮り」という雰囲気だと「とりあえず」で用意した印象が出てしまいます。
ホームページを集客手段とするなら、ホームページを構成する1つ1つの要素にこだわっていく姿勢がないと、全体として集客できるホームページを作り上げることができません。
特に自撮り写真で「とりあえず」の雰囲気が出てしまうと、ホームページ全体の「とりあえず」感も強まってしまうため、「仕事もとりあえずで片付けそう」「適当に処理されそう」な悪い印象を抱かせかねません。
腕組み写真
「信頼できる専門家という印象を出したい」、「ポーズをとるときに腕の持っていき場所に迷った」、「スタジオで撮影したらカメラマンからポーズとして提案された」などの理由から、行政書士としてホームページに掲載する写真に腕を組んだものを使用している方もよく見かけます。
しかし腕を組んでいると、とっつきにくい印象を受けやすいですし、心理学的にもネガティブな行動と見られやすいようなので、よほど笑顔に自信があったりしない限りは避けた方がいいでしょう。
「腕組み写真」は「業務を依頼しないでくれ」という意思表示になりやすいです。
実物とあまりにも違う
写真を撮影してからかなりの時間が経っていたり、編集しすぎて実際の姿と印象が変わってしまっているような写真を使うのも避けた方がいいです。
ホームページで確認した写真と実際のイメージがあまりに違うと、初対面の際、不信感を抱かれてしまう危険もあります。
相談の冒頭「なんか、おかしい」という印象を抱かれると、業務受任に関しては大きなマイナスとなってしまうことも考えられます。
仮に初回相談の際は乗り切れたとしても、顧客の側には常に「写真と実際がだいぶ違う人」という記憶が残ります。(これは顧客に限らず、同業・他士業も同じです)
ホームページ用写真の撮影は計画的に
いずれにしても、行政書士のホームページに使うプロフィール写真は、経営方針や事業計画に照らし合わせて「どのようなイメージで見られたいのか」ということを意識して撮影しましょう。
最近のものであればスマートフォンで撮影しても画質的な問題がないことは多いですが、写真の明るさなどにも気を使って撮影すれば、実際に閲覧した人が受ける印象も大きく変わってきます。
撮影の段階から、使用目的や仕上がりのイメージをある程度意識しながら撮影するとよいのではないでしょうか。
「よく見られたい」が逆効果に
なお補足しておくと、上で触れたNG写真の多くは行政書士さんが他人から「よく見られたい」「しっかりしていると思われたい」と考えて写した(選んだ)写真であることも多いです。
ホームページに掲載する写真は、隙の無いキリッとしたものだと気軽に相談しにくくなってしまいます。「お気軽にご相談下さい」と書いてあるのに、無表情で正面を見ている写真や腕組み写真が一緒に配置されていては、問い合わせる側も戸惑います。
そのため、行政書士のホームページに掲載するためのプロフィール写真は「ちょっと隙がある」ものを選ぶのがコツです。
とは言っても、隙のある写真を自分で選ぶのはなかなかに難しいですから、撮影した写真を家族や友人に見せて、投票数が一番多いものから選ぶという方法をとるのがオススメです(おそらく大抵の場合、自分が「良い」と思った写真と違うものが選ばれるはずです)。