『入札参加資格申請は事前知識が9割』
出版社:パレード
著者:横内賢郎
「役所の仕事を得たい」「入札で売上アップを目指したい」という経営者の方に向けた 「入札参加資格申請」といった手続きに関して書かれた書籍です。
しかも「東京都の入札参加資格(物品・委託)」と「全省庁統一資格」の2つに絞った内容となっています。第1部
https://books.parade.co.jp/category/genre07/978-4-86522-268-5.html
「入札参加資格に関する全般的な基礎知識」
第2部
「東京都入札参加申請(物品・委託)の手続きの流れやスケジュールといった概要」
第3部
「全省庁統一資格について」
第4部
「行政書士業務としての入札参加資格申請」
行政書士である著者が実務を通じて実際に経験したことを、ふんだんに公開しました。「役所の案件を取りにいく」という方々に役立つ一冊です。
阪本コメント
横内先生の前著『建設会社の社長が読む手続きの本』の入札参加資格申請版が本著になります。本著を手に取った当初は、公共工事を受注したい建設業者さん向けの入札ノウハウ本だと思っていたのですが、「物品の販売」「役務の提供」といった公共工事以外の入札申請について言及されている一冊です。
これから入札参加資格申請を行われたい事業者さんを対象とした本のため、資格取得までの流れや実務上の注意点がわかりやすく解説されています。
行政機関が作成している手引きや他の手続き解説本のように申請書類の書き方までは言及されていませんが、これはこれで読みやすいですし、入札参加資格申請を検討中の事業者さんが知っておかなければならない情報がよくまとまっていると思います。
入札参加申請にこれから取り組まれる方の入門書として最適な一冊です。
泉谷コメント
建設業許可や経審のことはなんとなく聞きかじったことはありましたが、入札参加資格申請についてはまったく事前知識がなかったのですが、本書は非常にわかりやすく書かれていたので、一度読んだだけでも概要を知るには十分でした。
また、随所に行政書士としての業務への取り組む姿勢が書かれていて、これが特に新人の行政書士の方には参考になるのではないかと感じました。
例えば、
自分には都議会議員の知り合いがいるので、期限なんてどうにでも動かせる。(略)お金ならいくらでも払う
P.75
こう豪語する方(実際こういうこと言う方はけっこういます)の依頼をきっぱりと断るエピソードなども面白いです。
建設業許可に取り組もうと思っている行政書士の方は、一度読んでみると入札参加資格申請の基礎知識とあわせて事務所運営の参考になる話も役立つのではないでしょうか。
岩本コメント
行政書士として仕事をしていると「役所の入札に参加してみたい」「入札参加資格の手続きは取り扱っていますか?」という相談を受ける機会も増えてくると思います。
本書は、役所の入札に参加するための手続きについて全体像が分かりやすく説明されている入門書です。
入札参加資格に携わったことのない行政書士にとって、入札の手続きというのはまとまった情報が意外と少なく、全体像が見えにくいものの一つではないでしょうか。業務に携わる中で経験した問題点などもいくつか触れられていますので、これから入札関係の業務に取り組もうとする行政書士さんにも具体的にイメージしやすいと思います。
本書の中でも触れられていますが、入札関係の仕事は「役所に書類を提出する」「資格を取得する」という行政書士本来の仕事に加えて「電子証明書の取得をレクチャーする」「PC環境を整備する」といった付随作業も業務として組み込める分野です。他の事務所と差別化を図りたい行政書士さんや、比較的年齢が若めの行政書士さんには、そういった意味で先輩行政書士とは異なる切り口から企業への総合的な支援を構築できる、取り組みがいのある業務かもしれません。