『ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則 小さくても儲かる会社になる「勝ち方」』
出版社:日本実業出版社
著者:福永雅文
小が大に勝つ「弱者逆転」の法則を53もの豊富な事例を用いて解説。ランチェスター戦略の真髄と成果の上がる実践法がわかります。2005年発行のロングセラーを時代に合わせて全面改訂した、“勝ち残りたい”中小企業経営者・ビジネスリーダー必携の書!
https://www.njg.co.jp/book/9784534055798/
阪本コメント
マーケティングの分野でランチェスター戦略ってよく聞くけど、よくわからなかったのがきっかけで、この本を購入しました。
タイトルが「弱者逆転の法則」となっている通り、後発組が先発組に勝つためのマーケティング戦略が紹介されている書籍です。
行政書士業界に置き換えると、新人行政書士がベテラン行政書士とどのように戦い、関与先を増やして、売上を作っていくための戦略のヒントが紹介されています。
行政書士は専門特化すべきなのか、価格競争に巻き込まれないためにどうすればよいのかの、行政書士業界でワイワイ議論されている答えも書いてあるように感じました。
さらに、ベテラン行政書士にとっては、生きのいい新人行政書士の攻撃に対して勝つための戦略も紹介されています。業歴の長い行政書士さんの今後の事務所戦術の参考になるのではないでしょうか。
「勝ちに飢えている方」には読んで頂きたい一冊といえるでしょう。
泉谷コメント
行政書士でもランチェスター戦略という言葉自体は知っている方が多いとは思いますが、本書後半ではランチェスター戦略が実際のビジネスにどう落とし込まれるかも紹介されているので、具体的なイメージが掴みやすいです。
ただし、元が軍事理論なだけあって、明確な戦略が無ければしっかりと導入することは難しいとも感じました。
そのため、実務経験なく開業する行政書士よりは、ある程度の実務経験を持って開業する行政書士や、開業して数年してから導入するのがよいのかもしれません。
いまや行政書士の競合相手は、同業だけでなくコンサル会社な強力な事業者もいますので、個人事務所から大手行政書士法人まで、本書は広く参考になるのではないでしょうか。
岩本コメント
行政書士事務所は、行政書士1人で経営する個人事務所が圧倒的多数であるため、対内的にも対外的にも、この本で書かれているランチェスター戦略をそのまま直接当てはめて使うシーンは少ないかもしれません。
とはいえ、それでも業界内には事務所の大小、強弱が存在するわけで、特に新人の行政書士が大手の行政書士法人と同じ土俵で戦ってもなかなか互角に渡り合うことは難しく、本書で触れられているような局所優勢やサービスの差別化は意識して行っていく必要があります。
行政書士のホームページに限っても、大手事務所と同じようなデザインで、同じようなページを公開していては、後発事務所はなかなか反応を得ることが難しいです。どこを切り出して、どう差別化を図るのか、局所優勢に持って行きたいところですね。
なお余談ですが、本書は思った以上に戦国時代を中心とする日本史の事例が紹介されているので、その辺りが好きな人なら『戦国から学ぶ「弱者逆転」の法則』というタイトルだと思って手に取るのもよさそうです。