『ひとり行政書士の開業・集客・受任ガイド 年商１０００万円をめざす』
出版社：中央経済社
著者：上山 雅子
ＳＮＳの活用法、セミナーでの注意点、報酬の決め方…。行政書士が「ひとり事務所」でマイペースに売上を安定させるノウハウを、自身の経験に基づいて伝授する。開業に関するＱ＆Ａも収録。資料のダウンロードサービス付き。
４０代からの開業は、年商１０００万円が丁度いい。ホームページやＳＮＳを活用し「売り込まずに売れる仕組み」を作るには？行政書士開業を軌道に乗せる、資格起業の教科書。
https://honto.jp/netstore/pd-book_30712598.html
阪本コメント
「営業活動で何をすればいいんだろう？」と悩まれている方には本著で紹介されている「売上の5つのフレームワーク」は営業のヒントになると思います。
営業活動は大きく分けてネットとリアルの2つがありますが、すでに開業していているけど営業活動が上手く機能していない場合やこれから開業する際に何から手をつけて良いのかわからない場合は、本著で紹介されている5つのフレームワークのうち、取り組もうとしている営業活動がどのレベルのものなのかを意識しながら戦略を練ると、問題点がわかって、それを修正することで結果に繋がりやすくなるのではないでしょうか。
また、私が開業される方からよくご質問頂く内容が本著には簡潔に書かれているので、これから開業される方は、開業準備の初期段階に読んでおくと良いと思います。
泉谷コメント
本書は、行政書士事務所を開業して数年経つまでに多くの人が感じる課題について端的に紹介しています。
個人的に最も共感したのは、巻末の開業Q&Aの”開業一年目にやって後悔したことは？”の第1位に挙げられている”やりたくないと感じた仕事”です。
私自身も、報酬が安いなと感じていたり、依頼者に不信感を持ってしまっていたりといった「やりたくないと感じた仕事」は、ミスをしやすい上に楽しくなかったので、受任して後悔したことが何度かあります。
そうは言っても開業直後で売上が安定しない時期に仕事を断るのはなかなか勇気が要ることですし、このくらいの失敗は（依頼者に迷惑をかけない範囲のミスで済めば）良い経験になる面もあるとは思うので、あまり気にして避けなくてもいいのかもしれませんが。
少し話が脱線してしまったかもしれませんが、行政書士事務所開業を検討している方、開業直後の方にはおすすめの一冊です。
岩本コメント
開業前も開業後も、経営の悩みの第一位はお金です。
P10
お金、本当に大事です。お金が全てではないにしても、資金の読みが甘ければ、開業直後から非常にシビアな状況に陥ってしまいます。
本書の第6章では開業資金についても触れられていますが、6ヶ月で事務所運営を軌道に乗せるにはかなりスマートな動き（決断力と実行力）が求められるため、行政書士開業以前に給与で生活していた人、個人事業の経験が無い人にとっては、相当至難の業になると思います。できれば、依頼が皆無でも1年は乗り切れるだけの資金を用意しておきたいところです。
そしてもちろん、6ヶ月、1年と時が経過したからといって、必ず軌道に乗せられるというものでもありません。
鍵となるのは、本書でも何度か触れられている「依頼者が困っていることは何か」「どう振る舞うことが依頼者を安心させるか」といった知識や立ち振る舞いを行動の積み重ねにより磨くことで、「行政書士から押すことなく相談者が依頼してくれる」という環境を作り上げることではないでしょうか。
本書の内容はシンプルかつコンパクトです。しかし、ここに掲載されている情報を知識として「知っている」だけでなく、各フェーズに応じて実践できているか、継続できているか。いま一度、現在の状況全体を見直すのに役立つと思います。
