『行政書士実務セミナー 専門分野選択編』
出版社:中央経済社
編著:大野 裕次郎
専門により仕事内容が全く異なる行政書士。先駆者はどう選んだ?営業のコツは?やりがいは?うまくいったらその後の事務所経営はどうする?15人に聞く!
https://www.biz-book.jp/isbn/978-4-502-43191-3
阪本コメント
本書は、申請書の書き方などを学べる書籍ではありません。
行政書士をこれから目指される方や、試験合格後に行政書士事務所に勤務経験なく開業される方を対象に、「行政書士の仕事」を解説する書籍だと思って頂ければと思います。「行政書士の仕事」の解説本といってよいでしょう。
従って、「行政書士の仕事」のお作法や営業手法を学びたい方は、本書ではなく別の実務書をお読みになるか、執筆された行政書士さんが登壇する実務セミナー、行政書士会・支部主催の研修会を受講されるなどして学ばれることを強くお勧めします。
「行政書士の仕事」といっても、許認可なのか民事なのか、許認可の中では様々な許認可があります。取扱業務によって、実務の進め方や営業手法が異なってきます。「行政書士の仕事」がどのようなものなのか、自身の専門分野を定める際の参考資料として本書をご活用いただければ幸いです。
本書は「行政書士の仕事」の総論的な一冊です。
本書をお読みになられて気になる分野がありましたらその分野を深掘りされたり、著者の行政書士さんに会いに行ってお話を伺うのも良いのではないでしょうか。
泉谷コメント
本書は「専門分野選択編」ということで、その名のとおり、受験生も含めてこれから開業する行政書士や、開業したばかりの行政書士が、自身が取り組む専門分野を選ぶ際の参考になるような内容になっています。
書類の書き方や要件など、実務の具体的な内容について紹介された書籍は数あれど、本書のように、行政書士業務の一線で活躍している行政書士たちの想いや考えていることに触れられる書籍は貴重だと思います。
一方で、実務の勉強がしたい人や、より実践的な営業手法などを学びたい人は、おそらく本書のターゲットから外れてしまっていると思われますので、物足りないという感想を抱くかもしれません。
個人的には、開業を見据えて行政書士試験を受験している方や、資格を得てこれから開業しようと思っている方にとっては、何かしらの気づきや影響を得られる一冊だと感じました。
岩本コメント
業務範囲やクライアントとの関わり方が多様な行政書士という仕事について、各業務を専門的に取り扱っている行政書士がそれぞれ紹介している本です。
行政書士の業務は非常に幅が広いため、私がWebサイトの制作やコンサルティングで事務所にお伺いするときにも「さっき訪問した事務所とは全く違うことをしている」「事務所の雰囲気が違う」と感じることも多いです。
何をしている仕事なのか一般の人からはイメージしにくい職業であるからこそ、専門特化でそれを明確化することは、業務依頼につながりやすい一面もあるかと思います。
本書はタイトルが「専門分野選択編」となっているとおり、これから行政書士として開業しようとする人(開業から日の浅い人)が目を通すと、自分の取り扱う業務分野を検討する際に、それぞれの業務イメージや規模感を掴みやすい書籍です。
むしろ、行政書士受験生のうちに目を通しておくと、合格後のイメージや分野選択が行いやすくなるのかなとも。