『お金に困らない人が学んでいること』
出版社:すばる舎
著者:岡崎かつひろ
これまで学びに数千万円を投じ、実際に年収で億を稼ぐまでになった起業家の「自己投資」の考え方と手法を紹介。「なぜ学びが大事なのか」というマインドの部分から、具体的な「インプット」「アウトプット」の手法、そして学びをお金に変えるコツを語りつくしてもらう一冊。
https://www.subarusya.jp/book/b598508.html
阪本コメント
行政書士として「一流」と呼ばれるためには、行政試験合格後も勉強を続けていく必要があります。これは、行政書士試験は実務家登用試験ではないからです。
勉強する内容は、実務に関する知識はもちろんですが、事業主であれば、事務所経営に関することまで幅広く学ぶ必要があります。行政書士試験は出題範囲が限られていますが、行政書士業界で生き残るためには、広範な知識を学び続けていくので大変です。
行政書士業務を「事業」として展開していくためには、効率的にインプットして、それをお金に繋がる活動をしていきます。本書では、学びのコツと考え方を簡潔に解説されています。
行政書士業界には学ぶことが好きな方が多い印象を受けます。
一方で、学ぶことに一生懸命であちこちの勉強会やセミナーに参加するだけで行動をしない「学びジプシー」状態の方もいらっしゃいます。行政書士として稼ぐ必要がなければ「学びジプシー」状態でも良いのですが、事業として行政書士をやるならばキャッシュポイントを考えた行動が必要になるのではないでしょうか。
効率的なインプットと効果的なアウトプットについて学びたい方には本書を推薦いたします。
行政書士業務の現場では、行政書士の諸先輩方が積み上げてきた実践知を尊重しながら業務を進めていきます。最近はよく「自分らしくありたい」というSNS上で発信される開業準備中の方や若手行政書士さんをお見受けしますが、型を破るのは、型を身に着けてからだと私は考えます。自分らしくというのは素晴らしいことですが、個性を出していくのならば、型を身に着けていることが前提です。
その型を学ぶためには、どのような「学び」をすればよいのかが、本書には記されています。
型を破るのは、型を身に着けてから
P144 お金につながる「インプット」の技術
泉谷コメント
本書は「学び」と「お金」の関係について様々な観点から紹介されています。
行政書士という立場で取り入れやすそうだなと思ったのは、CHAPTER3で紹介されている”異業種の人と積極的に話して、知識のかけ算をする”、同CHAPTERの”自分がお客さんになってみる”のふたつです。
行政書士(に限った話ではないかもしれませんが)をしていると、知らず知らずのうちに行政書士の常識に囚われていってしまいがちなので、意識的に他の業界のビジネスの仕方などについて情報収集をして、知識や感覚をアップデートするために、異業種の人との交流というのは有効な方法のひとつだと思います。
次に”自分がお客さんになってみる”ですが、行政書士として営業活動をしていく上で、「顧客目線が大切だ」というのはよく言われることですが、そのために自分自身がお客さんになってみるというのは重要な体験です。
本書では、広告から購入してみることを例に挙げていますが、クラウドソーシングサービスで行政書士事務所のロゴマーク作成を依頼してみるといったことからでも、多くの気づきを得ることができるものです。
「学び」は行政書士の「仕入れ」とも言える重要事項なので、一度読んでみてはいかがでしょうか。
岩本コメント
学びジプシーとは、学ぶことにただ一生懸命で、あちこちの勉強会やセミナーに参加し、結局、何も行動せずにお金を生み出すことができない人たちです。
P65 すぐに稼ぎたいなら、流行もしっかり学んでおく
高校入試や大学入試、そして行政書士試験などの資格試験の多くは、講師や書籍が教えることをどれだけ正確にインプットできたかどうかが問われる試験です。
一方、行政書士(事業主)として業務に取り組み事務所の運営を軌道に乗せていくことは、インプットした知識や経験を活用して、自分の考え方や置かれた環境に適合する構造をどう組み上げ、どう成長させていくかという思考に基づく試行の比重が大きく、いくら広範な知識を正確に覚えても、それで事務所運営が上手くいくわけではありません。
成功という大きな山を拡大してみると、失敗という石ころによってできあがっています。たくさんの失敗の積み重ねが、成功をつくり出すのです。
P177 学んだことは、その日のうちに行動に移す
実際に手を動かし、身体を動かしてやってみることは非常に大事なことで、それによって様々な生きた情報や技術が身についていくのではないでしょうか。
話題を行政書士とホームページに絞れば、P187で触れられている「信頼関係を築かなければ絶対に売れない」については、考え方として非常に重要だと思います。
「お任せください!」のコピーから始まり、続けて怒濤のように事務所の業務を宣伝するホームページは、訪問者(後の相談者や依頼者)との間に信頼関係を築きにくく、継続的な受任や事務所運営の安定化にはなかなか繋がりにくいからです。